それはわからないし、理由があったところで理解も出来ない。

ただ、大人しく従順で反抗も出来ない真由は絶好のカモだったのだろう。

俺は真由を守りたくて何度も母親に盾突いた。

でもその度、

俺に対する苛立ちを、あの女は全て真由にぶつけた。

どうあがいても、俺は所詮無力な子供でしかなく。

ただ彼女のために泣くことしか出来なかった。


『ごめんね、ごめんね』

二人きりの子供部屋で身を寄せ合い抱きしめ合う。

『ごめんね。お姉ちゃん。守ってあげれなくてごめんね』