幼い頃から、俺は真由が好きだった。

綺麗で頭がよくて、だけどいつも寂しそうな一つ上の姉。

外見ばかりが立派な、冷え切った家の中で、

俺も真由も、寄り添えるのは、お互いだけだった。


いつ頃からだろう。

母親が次第に真由を虐待するようになった。

父親に判らないように、服の下を選んで付けられる痣や傷。



母親の行動は子供の目からも異常で狂気地味ていた。

なぜ

真由だけが、あの女に選ばれたのか。