「蓮くん、今日生徒会あるの?」

丸い、猫のような目で、ミコトが僕を見上げる。

肩までのさらさらの茶色い髪。

柔らかそうな白い頬。

小作りの鼻に、桜色の唇。

ミコトは

昔からあまり変わってないようで、どこか変わってしまった。

ゆっくりと色づいていく、

小さな花みたいに。

「蓮くん?」

ミコトがひらひらと、僕の顔の前で手を振って、小首を傾げる。

「ああ、ゴメン。うん、今日は会議があるから、ミコ先に帰ってて
遅くならないうちにね」

微笑んで言うと、彼女はがっくり肩を落とした。

「はーい」

不満げに口を尖らせ、ぴょんぴょん跳びはねるように、校門をくぐり、振り返る。