静かに鞄を拾いあげる。

「叶わないものばかり追い掛けるの、もうやめろよ。それじゃ幸せにはなれない。それは真由が一番わかってるだろ?」

耳を塞いだままの彼女は、顔をあげず、

俺は暗い気分で部屋を出た。





君の幸せを世界で一番に願っても


君を幸せに出来るのは、決して俺じゃない。


せめて


君を本当に任せられる誰かに


君が出会ってくれたならと願うのは


一方的な俺のエゴなのか?