ただ、キミが好き

肩に置かれていた手が、胸へと落ちる。

早鐘みたいな心臓の音が伝わったのか、

びくっと躊躇ったように指が跳ねた。

「大丈夫、だよ?」

涙声になりながら、そう告げて目を逸らした。

羞恥で頬が染まり、小刻みに身体が震える。

不安も怖さもないわけじゃない。


でも


貴方になら、何をされても構わない。


蓮くんから、もたらされるものならば、


きっと


痛みすら


甘い。