少し冷たい指先が頬に触れ、恐る恐る顔をあげた。

「……ごめん、なさい。……わたし」

言いかけた言葉を塞ぐように

蓮くんは親指でわたしの唇をなぞり、切なげに目を細めた。

「………」

熱にうかされたように、じんわりと瞳が潤んで、視界がぼやけていく。

蓮くんの頬が傾いて、


キスが


瞼に落ちた。


そして頬に


鼻に


顎に


―――唇に。


「……っ」


それが合図のように、

蓮くんの腕が、強くわたしを引き寄せた。