あんな思いは二度としたくない。

そんな自分のエゴで

俺は、ミコトについた傷を利用した。

守るためだと

大義名分をつけて、近寄る奴は力付くでも遠ざけた。

異性への拒絶反応に苦しむ彼女を、立ち直らせることは考えなかった。

意地汚い独占欲で彼女をがんじがらめにして、自分に縛り付けた。



そんな自分に嫌悪感が増して、少しずつ彼女と距離を開けながら


不安そうに俺を見るミコトに、どうしようもないくらい欲情していた。


二人きりの部屋で夜を迎えれば、自分を押さえる自信がなくて

いつも

夕暮れを合図にミコトの家を出た。