あの時


『付き合ってほしいって言われたの』


ミコトは困惑していて


『塾の先生なの。どうしたら、いいかな?』


相談をもちかけただけなのに


『さあ。ミコトの好きにしたら?』


―――彼女の不安を受け止められなかった。


俺は、考えなしな子供で


嫉妬して


苛立って


冷たい態度しかとれなくて―――。




公園の茂みへ踏み込んだ時、


馬鹿な自分を殴り倒したいほど後悔した。