このまま、突き放してしまえばいい。


落ちたシャツを彼女の肩にかけて、

「やめよう」

そう諭してしまえばいい。

ミコトは今、混乱してる。

真由と僕の関係を疑って、過敏に反応してるだけだ。


ミコトは


僕を失うことを恐れている。

真由に奪われたくなくて、こんな暴挙に出るほど。


ミコトが頼れる存在は、僕だけだから。


僕以外には、完全には心を許せないから。


それは、分かってる。


そうなるように仕組んだのは



―――俺、だから。