彼は私の頬を軽く撫でてから、 その手をゆっくりと下ろし、 私の腰へと回す。 そしてグイッと 引き寄せる。 私は黙ったまま 彼の肩に寄りかかり 彼に体を預けた。 彼は両手で私を包み込み、 そしてギュッと 強く強く抱きしめる。 私はやはり黙ったまま 彼を抱き返す。 時間が止まったように 長い間、彼は 私を抱きしめ続けた。 しだいに、彼の息づかいが 荒くなっていく。 彼の鼓動がはっきりと 聞こえる。 「姫夏…」