姫のさがしもの。



しかし宮岸さんは

そのまま私の腰に
手を回し続けたまま
歩き始めた。


それから、
ぐいっと私を引き寄せ


「大丈夫ですか?

ちょっと飲み過ぎ
ちゃいましたね。

支えるので、
歩けますか?」

と言った。


私は、小さく頷いた。


それから私は
完全に宮岸さんに
身体を預けた状態で

ゆっくりと歩いた。



宮岸さんは

片手で私の肩を
抱きながら

もう片方の手で

時々私の髪を撫でた。


なんだかそれがやけに
気持ち良かった
ような気がする。


しかし、あまり
何も考えられない。