姫のさがしもの。



私は少し苛立った口調で、
彼に向かってこう答えた。


「付き合うってことは
確かに、単なる
契約かもしれません。

ただ、私にとって
付き合うということは

未来に向かって
二人で関係を築く
ということです。

だから、

今の関係のままで
お互いがいくら
大好きになっても

それは刹那的なもので

何も築かない。

何も創れはしないですよ」


すると彼は急に黙って
少し考える素振りを
見せた。

そして…


「じゃあ付き合いますか?」


そう答えた。