静かな店内には ブルースが微かに 流れている。 「いい感じですよね。 僕も実は初めてですけどね。 ネットで見て気に入ったんで」 宮岸さんが小声で 私にそう言ってきた。 カウンター内では マスターがカクテルを 作り終えたらしく シェイカーからグラスに そのカクテルを 流し込んでいるのが見えた。 そして私たちに 完成したカクテルが 差し出された。