すっとカメラを顔から離す。 キリッとした目に、軽くウェーブした黒髪。 月に照らされて、妖艶に微笑む。 まるで・・暗黒に住む悪魔のよう。 「ごめん、びっくりさせて。隣に住んでるんだ。あまりに魅力的だったから、撮っちゃった」 容姿とは反対に、落ち着いた低くて甘い声。 私は一瞬にして目を奪われた。 声も出なかった。 金縛りにあったかのように。 「どした?」