「今じゃない?」 え・・? カシャッ すぐ横で、久々に聞く音。 あのベランダでのことのよう。 「だ、れ・・?」 太陽に照らされて、まぶしい。 けどね、本当はもうわかってるんだ。 低くて甘い声に、私の体が反応してる。 その人は、ゆっくりカメラを下ろした。 「ごめん・・2年ぶりに見る美鈴が、あまりにも綺麗だったから・・撮っちゃった」 久々のシャッター音からの登場に、もう涙腺は崩壊。 「あ、つき・・・っ」 あの頃に戻ったみたいで、私は涙を流すことしかできなかった。