帰りは、書店を避けなかった。 中には入らなかったけれど・・また次の機会にね。 マンションに帰ると。 「淳・・希?」 連絡の取れなかった人が、私の家の前に座り込んでいた。 「ただいま、美鈴」 いつものセリフ。 でも、なぜか寂しく感じた。 「いつからいたの?」 「ついさっき」 「そっか。連絡してくれれば良かったのに・・まあ入って」 私は、淳希を部屋の中に入れた。 なのに・・ 「淳希?」 淳希は、玄関に立ち止まったまま入ろうとしない。 嫌な予感がする。 「美鈴、別れよう」