「美鈴からのお願いだから」 「ありがとう」 淳希はカメラを鞄の中に直して、手をぎゅっと握ってくれた。 もちろん恋人繋ぎで。 指から淳希の温もりが心地いい。 「だから言ったろ?」 「ん?」 「初めてだって。今だって、美鈴が言わないと写真撮り続けてた」 雑誌ちゃんと読めば良かったかなって、冗談ぽく笑った。 「だから、淳希はそのままでいいの!」 カメラ禁止令出したけど、淳希が写真撮ってる嫌じゃないよ。 写真撮ってる淳希の姿、かっこいいしドキドキするから。 ただ寂しくなっただけなの。