愁哉さんに女性の存在を感じた事は初めてじゃない。

一夜限りなのか、長く続いているのかそれは分からない。


少なくとも、婚約する前までは、いつも彼が綺麗な女性を連れていたのは目の当たりにしていた。


離れる事を望んでいるのか、それとも離れないと知っているのか。


別に、あの冷めた視線が送られる相手が何人いようと構わなかった。心は渡さない。処理するだけか仕事だけの身体の関係がある事などどうだっていい。

その位、彼の感情は冷めていて瞳はいつも無機質だったから。


特定の人と特定の枠に入る付き合いをしたのは、あたしが知る限り瑠香さん唯一人。


そして



もしも、冴木さんと愁哉さんの間に特別な何かがあるとしたら、


いつも、その場限りの様な派手な女性ばかりを相手にする彼には珍しい彼女。




瑠香さんの様な表情を見せる彼女。