淡い花の様な香水の匂い。 移る、というよりは僅かに残る程の。 彼女と愁哉さんに残ったものは同一。 考え過ぎかもしれない。 疑心だけは高いあたしが嫌になる。 疑う事に意味などないのに。 何も変わりはしないのに。 ただ、彼女の真っ直ぐな視線と、愁哉さんの優しい瞳だけが頭に巡っていた。