「部長、この書類の件ですが」 来客室から出たあたし達を迎えたのは姿勢が綺麗な女性。いかにも仕事が出来そうな。 あたしはすぐに興味を失って作った微笑を送った。 「冴木、今は来客中だ。後にしろ」 愁哉さんの声は淡々と突き放すように放たれる。 「す、すいません」 頭を下げる冴木、と呼ばれた女性はクイッと愁哉さんに向き直ると、あたしに一礼をする。微かに香る匂い。 戸惑う様な瞳の色は気丈にあたしを見つめ返す。 あたしはそこで初めて、彼女の存在を意識した。