どんな名がつくのか分からない食事会は終始穏やかだった。 向こうでの様子を話すだけで、後は父様と愁哉さんの仕事の話。 その内、一時間程度で襖がまた開く。そこから入ったのは 「こんばんわ、お邪魔するわね」 一瞬で空気が変わる程、香水の甘ったるい匂い。赤い口紅、髪を結い上げて色気ばかりが先行した綺麗な女の人。 「来たか」 父様はチラリと一瞥して、その女性は当たり前の様に父の横に座った。 また、新しい人ね。 あたしは冷ややかにそれを眺めて、最後の料理を口に運んだ。