ー動き出した時間ー

斉藤君に初めてメールをした次の日。
「万里ぃ、やっぱり私達別れる事にしたよ…竜の性格にはついて行けない。」
「そっかぁ…まぁ次があるよ!!」
「協力してもらったのにゴメンね」
ゆかは色白でさらさらの髪をしていて結構モテる。
こんなかわいい子を振るなんてあいつも何様なんだか。
斉藤君の評判はあまりいいものではない。
結構柄も悪くて、今まででもいろんな人と付き合ってる。
そんな斉藤君は私と同じクラスだけど近寄りもしない。
だから昨日のメールで私の事がわかったのはちょっとびっくりした。
なんか今日会うのちょっと気まずいなァー。
「万里おはよぉーー!!」
「ゆり、おはよっ!!」
高校で友達になったゆりはクラスで一番仲がいい。
ゆりは斉藤君と幼なじみらしく、普通にしゃべったりしている。
「竜おはっ!!」
「ぅっす」
「もぉ、相変わらず無愛想なんだから!!」
斉藤君と話せる女子はゆりぐらいだろう。
でも、その時それは変わった。
その時から運命は始まっていた。
私が席に座ろうとした時…
「おはよ。高杉」
「ー…っえ?」
一瞬だった。
今のって斉藤君?私におはよってー…
その日の私はこんな疑問の繰り返しで、気づいたら学校はもう終わっていた。
「おはよ…って……」
ベットに転がりながらつぶやいてるとケータイがなった。
~♪
ケータイを開いて差出人を見て私は驚いた。
≪斉藤竜≫
てっきり昨日きりのメールだと思っていた斉藤君からメールがきた。
≪っよ!!いきなりびっくりした?聞いたかもしれないけど、俺ゆかと別れたから≫
なんか言ってるよ。この人。ちょっと可笑しかった。
≪もったいない事するねぇ~他に好きな人でもできたの?≫
ちょっと時間がたってから返事がきた。
≪ちょっと気になってる人がいるんだ。≫

この日から私達は毎日メールをするようになった。

この日からすべてが始まった。