その日を境に廊下、講義室、駐車場、キャンパス内、至るところであたしは、遭うたび元カノと友人たちの恨みでもあるかのような睨みを浴びるはめになった。


ただあたしはそれが嬉しかった。


その瞬間だけは、あたしが拓兄の新しい彼女であるかのような気持ちになれた。


拓兄の妹であるがために、ひがまれては嫌がらせを受けるなんていうのは昔からのあたしの日常だったし、今更どうってことない。


むしろ優越感であたしはそれが好きだった。


歪んでいると思う。


ほんとに笑えるくらいにあたしは歪んでる。