「別に困ってないわ。」



「困ってんのは俺だわな。困ったなぁ。」



何に困ってるの?顔をあげるとほんとに困ったような、あきれたような、なんとも言えない表情であたしを撫でた。



この顔もたまらなく愛しい。あたしの中で愛しさがどっとあふれだす。






今まで、数えきれないほどたくさんの男の人から告白されてきたけどすべて断ってきた。




自分に相当自身があった人なんかは振られた腹いせに、誰も愛さないアイスドールなんて言ってたけど、ほんとは拓海しか愛せないアイスドールなの。



学校の3大美女にも選ばれたし、自分で言うのもなんだけど相当の美人だと思う。



それでも拓兄にとっては妹。それがたまらなくむなしい。







「何に困ってるの?」



相当の間があってから聞いたけど、返事はなかった。




変わりにスースーって規則正しい寝息が返ってきた。