あと数分で授業が終わる。 そう思った、刹那。 ふいに、とんとんっと 机を叩く音が聞こえた。 「なぁ、高槻」 「何?」 将生の呼び掛けに、 あからさまに嫌な顔をして 応じてみる。 しかし、彼は そんなことを気にも留めず、 教科書のある一点を指差して言った。 「これ、何て意味?」 そこには、簡単なある一つの単語。 (《like(ライク)》……) .