ガラス玉みたいな透明で淡い瞳は、少し見開かれて、あたしを真っ直ぐ見つめる。 あたしは見つめ返せているのだろうか。 熱い頭じゃ、考えられない。 もう、戻れない。 部長は、フゥと短く吐息を漏らす。それが何を表すのか分からなくて体が緊張する。 もう、戻れない、だから引けない。 「…いらなくなったら、捨てて下さい」 ここまで捨て身でぶつかった事、多分今までで一度もない。