部長はあたしを射抜くみたいに見つめて僅かにも表情を変えない。 眼鏡の奥の切れ長の瞳に全て見透かされそうで、ちっぽけな自分が嫌になる。 「なんの事だ」 ああ、この期に及んで、 「だ、だから」 「ああ」 この人は、 「この間の、あ、」 「うん?」 完全、ドSの瞳。 「…何でもないです」 言える訳ない。