「ねえ、ウチのクラスの平均点あげないでよ!」


これまた、無茶なお願い。
別に、そこまで高いとは思わないし。




「ごめんなさい…」


自分でも、気持ち悪いシュン…とした声。
俯いてみれば、相手は焦っていて、こんなのに騙される馬鹿な女。
そのまま、友達の元へ帰っていった。



それから、外を見たら桜は緑色に染まりつつある。
もう季節は、夏。







「先生、保健室行きます。気分悪いので」



「はい、わかりました」



模範生の私は、保健室にだって簡単に行ける。
生物の授業中、とてつもない目眩に襲われて、慌てて教室を後にした。