上弦の月と下弦の月




食べ終わったものを手早く片付ける養母をスッと手伝う少年。

その様子を椅子に一人座り見つめる養父。


本当に気が利き、優しい子に育った。

一体誰に似たのだろうか。


そんなことを思っていたら片付けが終わったのか、養母は少年を促しながら椅子に腰掛ける。

不思議そうな顔をしながら少年も席に着く。


「………ウィン、少し昔話をしていいか?」


その問いに、え?という表情を表したあとぎこちなく少年は頷く。

それを了と捉え、乾いた口に少し水を含み軽く咳払いをし話始めた。