うちのクラスの英語の授業は午後からだ。
それまでは桐島に会うことはない。


……会いてぇな…
油断するとすぐこんなことを考えてしまう。


職員室でボーッと座ってると、田中先生に声をかけられた。

「三神先生、随分暇そうで。テスト問題はもう完璧みたいですね」

またいつものイヤミだ。

「…いえ、実はまだ全然…」困った顔を作って答えた。
るせぇ!!こんな時に作ってられっか!!

「まだ作ってないんです?期末試験も近付いてますよ?」

メガネをクイッと上げながらニヤリと微笑む。


そうなのだ。今学期の期末テストは俺が作らなければならない。この学校では若手が作るという風習がある。