それから宣言どおり、毎日うちの会社と藤堂商事を交代で訪れている。しかし、成果はない。

親父とは一度だけ電話が通じたが、

「銀次、いい加減観念するんだな!フハハハハ…」
そう言ってそのままブチッと電話を切られてしまった。

それからは相変わらず門前払いを食らっていて、毎度樋口さんの申し訳なさそうな声しか聞けない。

藤堂社長には何度か会えたが、「そもそもそちらからのお話しなので…」と困り顔で取り入ってもらえない。


やはり親父をどうにか説得しないことには始まらないな…。でも説得しようにも話もできない…。

はぁ…前途多難とはこのことだな…。



ため息を吐きながら職員室で机に突っ伏した。最近、こうして項垂れてばかりな気がする。

しかも、結衣と接触できていないことで身体中が飢えている。以前は姿を見るだけでも満たされていたのに、全然ダメだ…。

結衣が足りない…。

やる気が起きず身体にも全く力が入らない。こりゃ間違いなく結衣欠乏症だ。

そういえば生徒からも「銀ちゃん最近干からびてない?」と指摘を受けた。俺もそう思う。


一体何日結衣に触れていないだろうか…。はぁ…そろそろ限界かもしれない。