「だって、清川君が皆に言ってたから…」

桐島が戸惑いながら口を開いた。



「……清川が?…なんと?」

「え?えーと…なんか…彼女がいっぱいいるらしいって…」



……あんのクソ野郎がっ…!!ぶっ殺してやる…!!

血管が浮き立つほど、あのバカに対する怒りがふつふつと沸き起こる。



「おい!桐島!!」

「は、はい!!」

突然大きく上げた声に、ビクッと桐島は身体を揺らす。



「俺には彼女なんて、1人もいねぇ!」


鬼気迫る形相で言うセリフではないが、はっきりと誤解を解いておかなければいけない。


唖然としている桐島に、分かったか?と詰め寄る。


「は、はい…。そんな、怒らなくても…」


男としてはなんとも情けない俺のセリフに、桐島は困惑しながらも頷いてくれた。