「……っ………」 ここは涼さんの家の前。 指先のインターホンを押せない。 だって、なんて言えばいいの? 『こんにちは~! 涼さんいますかぁ? 』 ……ないない。 『初めまして!! 篠塚 由姫です~! 』 ……意味分からない。 『こんにちわ~。宅配便で~す』 あぁ、もういいセリフが思いつかない。 もう諦めようかな。 インターホンに伸ばしていた指を引っ込めようとした、その時 「あら? もしかして、由姫ちゃん? 」 うわぁ!!