「何?あいつ」


家に帰るなり、不機嫌に柱に寄りかかっている陽希があたしを出迎えた。


なにって…


「クラスメートだよ…」


「ふーん?クラスメートにこんな夜遅くに送ってもらうんだ?」


「ぶ、部活がたまたま一緒だから…」


あまりの迫力についどもるあたし。


陽希は、どんどん追い詰めてくる。


「ねぇちゃん、部活してたっけ?」


「…ぅっ」


「つーか、クラスメートと相合い傘?」


「…ぅう」


そんな攻めなくても!


本当にクラスメートだもん!


てゆーか、


「盗み見はよくないよ!いつからそういうことするようになったわけ?」


堪らなくなったあたしは、お姉ちゃんという立場を利用して冷静に言ってみた。

でも、そんなの陽希には通用するわけなくて


「あいつが彼氏なんだ?」

って…


「違っ…」


違うよ…これは本当


「じゃあ、早速浮気?」


浮気……?


そ、そんなつもりじゃあ…

「浮気じゃないよ…」


「じゃあ、何?」


「何って…」


なんだろう…


ただ送ってもらっただけって言ったら言い訳に聞こえちゃうし。


もし、これが陽希じゃなくて篠田先輩だったらあたしはなんて言うんだろう?


そう考えると急に怖くなった。