「華さん、大丈夫?」 トイレから戻ったあたしの体調を気にしてくれる哲さん。 気づいてたんだ、疲れてること。 でも、慣れなきゃ… 「大丈夫ですわ…」 慣れない言葉で話し、慣れない作り笑い。 疲れる…… でも、ここで逃げたら栗城から受け取った大きなものを全て投げ出しちゃうみたいで、弱音なんて吐きたくない。 「無理はよくないよ」 「いいえ、あたしは大丈夫ですわ」 栗城じゃなく、お母さんを選んだから。 自分が選んだから。 逃げないの。