音楽をブチッときると、陽希が驚いたように振り返った。



「もう、ご飯だってよ」



あたしは、一言用件を伝えると部屋を出ようとした。


でも、珍しく陽希が真剣な顔してあたしを呼んだので足を止めた。



「姉ちゃんさ、彼氏出来たの?」



「…え?」



陽希の予想外の質問につい聞き返してしまった。



すると、陽希は「やっぱ、そうなんだ」って悲しい顔して言ったんだ。



あたしには、なんでそんなに悲しい顔しているのかなんてわからなくて



呆然と立ち尽くしていた。


陽希は、そんなあたしを通りすぎ部屋を出ると「夜めし食い行かねーの?」って普通に言って階段を降りて行った。



だから、何が何だかわからなくて



ずっと、食事中もさっき出来事で頭がいっぱいであまり食事が進まなかった。




でも、何を勘違いしたかママは「胸いっぱいで食欲がわかないのね〜」なんて言って



それを、不機嫌に聞いていた弟と



「なに、なに?」と興味津々に聞いてきたパパであった。