本当に優しいんだか分からない奴だな。 私は渋々その男の背を追いかけるように歩き出したその時。 ズキン・・!! 「ッ!!」 まただ・・・ 「どうした?」 前にいた男は私の異変に気づき声をかける。 だが、激しい頭の痛みで私はそのままうずくまってしまった。 桜・・・ この声は、異世界に来る前の・・ 桜・・・ やめろ!!私を呼ぶなッ!! 目醒めなさい、桜・・・ え・・・? その言葉を最後に、私は意識を手放した。 .