「で、誰なのよ?」


え?
言えって?


無理無理!


田辺の弟なんて、口が裂けてもいえないじゃん?


年下相手にしないあたしがだよ?


今さら、田辺の弟!なんて言えっこないっしょ?


黙っているあたしを覗き込んで、


「言いなよ?相談のるよ!アリサが今まで真剣になった人居ないじゃん?今度は真剣なんでしょ?」


その言葉に心が揺らいで、


「誰にも言わないでよ?絶対だからね?笑ったら怒るよ!!」


「笑わないから!」


優しい心結にあたしは田辺の弟だって事を伝えてしまった。


「やっぱりね…。」