「とにかく、いろいろ…すみませんでした!」

これでもかと言うくらいに、あたしは躰を2つ折りにして謝った。

だってお互いのためにも噂になりたくなかったし、誤解されたくなかったし……もうとにかく、すみません!

「彩花、躰起こして」

訳がわからなくて、あたしはとりあえず躰を起こした。

起こしたとたん、南野課長のドアップがあった。

「ぎゃっ!」

思わず本日2回目の後退り…だったけど、南野課長の指があたしのあごをつかんだ。

ちょっと待って!

このシチュエーションでやることって言ったら…。

そう思うと、あたしの心臓がバクバクと鳴り出した。

頬も火傷をするかと思うくらいに熱くなっている。

ヤダな、南野課長の指先に伝わらなきゃいいんだけど…。

「キスしていい?」

南野課長が聞いてきた。

ま、マジですか…。

完ッ全にケータイ小説のパターンじゃない。