そして、また、

――ピシッ!

石の亀裂が大きくなりました。

「ああ、本当に最後みたいだな。じゃあな。こぎつねの坊や。坊やと話せて良かったよ」

ヒビだらけになった石は、苦しみをこらえて微笑みます。

「石コロさん……」

こぎつねは、両目を手で覆い、嗚咽する声を漏らします。

「泣くなよ。……また、いつになるかわからないけどさ、この星が続く限り、また会えるんだから。その時までの辛抱さ」

それに、と石は喋り続けます。

「体が崩れていくのは痛いことだけど、……楽しみでもあるんだ。次はどんな場所に生まれて、どんな景色を見られるのかなって」