足早に自室に戻り、すぐにスマートフォンを取り出して着信の表示に口元を緩める。

 内容を確認したあと、しばらく思案してバッグに衣類などを丁寧に詰め込んでいく。

 よほど嬉しいのか落ち着きなく詰め込み作業を進め、まだ終わっていないというのに手を止めてデスクの引き出しに仕舞っていたハンドガンを手にする。

 その黒い(かたまり)に、まるで愛しいものにでも向けるような眼差しを送り腰の後ろにねじ込んだ。




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