「これは、君の声なのかい?」

 水中に揺らめくベリルを見つめてつぶやいた。



「トラッド様」

 再び部屋から出ると、一人の青年に呼び止められる。

「見つかったそうです」

 それにトラッドは目を輝かせた。

「そう。じゃあ、詳細を送ってと伝えて」

「解りました」