「そんなものは、君の考えでしかない」
僕の考えとは違う。
「神とは、随分と思考に左右されるものだな」
そこでトラッドはハッとした。
「お前は存在するかどうかも解らないものに、人類を委ねるのか」
「だからこそ……神なんだ」
「それは本心か」
言い放ったベリルの瞳に歯ぎしりした。
神を出した事は失敗だったと悔しげに口を歪める。
「統合に際して、お前たちはその外側にいる」
「当然でしょ。君の下で働くんだから」
内側にいたら誰がその作業をするのさ。
「そして世界を動かしている優越感を抱くのか」
しかし、ハロルドは違う。
「……? どういうこと?」
「奴は私を動かす事で、全てを支配しているのだと歓喜する」
まさに、神になるのだとね──
†††
僕の考えとは違う。
「神とは、随分と思考に左右されるものだな」
そこでトラッドはハッとした。
「お前は存在するかどうかも解らないものに、人類を委ねるのか」
「だからこそ……神なんだ」
「それは本心か」
言い放ったベリルの瞳に歯ぎしりした。
神を出した事は失敗だったと悔しげに口を歪める。
「統合に際して、お前たちはその外側にいる」
「当然でしょ。君の下で働くんだから」
内側にいたら誰がその作業をするのさ。
「そして世界を動かしている優越感を抱くのか」
しかし、ハロルドは違う。
「……? どういうこと?」
「奴は私を動かす事で、全てを支配しているのだと歓喜する」
まさに、神になるのだとね──
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