──朝

「おはようベリル。よく眠れたかね」

 ハロルドは、すでに目を覚ましているベリルを笑顔で迎える。

 無言で睨みつけるベリルに、ハロルドはまだ昨日の怒りを引きずっていると思いニヤついた。けれどハロルドの後ろでベリルを見ていたトラッドは、ふと気がつく。

「父さん」

「なんだ」

「彼は、いつまでも引きずる性格じゃないと思うよ」

「なに?」

 それにハロルドはベリルを眺める。