「何を言っている。有り余るほど話をしただろう」

「これから生まれてくる子供たちのため? 若者のため? 僕のため?」

「そうだ。わたしは若者たちを導く立場にあった。しかれど、未来に希望はない」

 この星は常に活動しているのだ。

「環境は著しく変化し我々、人間でさえも適応出来なくなっている」

 けれど、どうだ。人間は未だに小競り合いを繰り返し、人類の存亡の危機にまったく向き合おうとはしない。

「お前が生まれて、わたしは己の考えをいっそう、強くした。全ては生まれてきたお前の──」

「その子どもに、父さんは平気で人殺しを頼むんだね」

「──っわたしが、動ける体ならもちろん、自分で行動していた。お前を信じていればこそ、心苦しい事を頼んだのだ」

「そう」

 気のない返事をしたあと、再度ベリルに向き直る。