「新たな世帯主は赤石昇、そして妻は旧姓高瀬 奈緒でよろしいですね?」
……え!?
受け付けの人の確認に、高瀬さんがはにかみながら「はい」と答えてた。
「これで婚姻届を正式に受理いたしました。世帯主の転入届は早めに提出なさってください」
届けを済ませた2人を迎えたあたしとお母さんは、まるっきり訳が分からなくて呆気にとられてた。
☆
外出したついでだから、とあたし達はちょっとお洒落なカフェバーに入った。
ちょっとしたボックス席になってるそこを事前に予約していたらしく、すんなりと通された。
もちろん、赤石さんには話をするつもりがあった事がこれで明白になったんだけど。
ダウンライトの柔らかい光がブラウンでコーディネートされた店内に、落ち着いた雰囲気を提供してた。
注文した飲み物が運ばれても、誰もが遠慮して口を開かない。
高瀬さん……いえ、奈緒さんは、甲斐甲斐しく赤石さんのお世話をしてる。
やがて、コーヒーが半分になった頃、赤石さんが静かに口を開いた。



