オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

あたしがアルバイトが終わり直ぐ向かったのは、静江おばあちゃんのお家。


5時半に着いた時、博君と静江おばあちゃんは縁側で楽しそうにお喋りしてた。


そんな邪魔をしたくなくて、あたしが玄関から2人を見ていて気がついた。


多少古いデザインだけど、博君がちゃんとした男の子用の服に着替えてるって。


「あ、杏子お姉ちゃん!」


「お帰り。アルバイトは疲れたろ?ささっ……遠慮せずに杏子ちゃんもお上がり。
今カレーとハンバーグを作るからね」


そんな2人の言葉は、なんだか嬉しい。


ただいまって言って、ちゃんと応えてくれる人が居る。


そんな当たり前の事さえ、あたしはここ数年めったになくて。


なんだか不覚にも、涙がこぼれそうになっちゃった。


「ただいま!カレーなら任せてくださいよ。あたし得意ですから」


静江おばあちゃんの家事の手際は相変わらず見事で、あたしはちょっぴりしか手伝えなかった。


ハンバーグを作るとき、タネをこねていた博君は楽しそうにいろんな形を作ってた。