オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

一体何なのよ!!


あたしは憤りながら、事務所の掃除を始めた。


いつも帰る前にやっておけ、ってナギに言われてるから。


でも、掃除機なんて近代的なものはないから、今どき全部手作業なんだよね。


「まったく……小型のクリーナーくらい買いなさいっての」


あたしがブチブチと文句たれながら箒を動かしてると、ナギの使ってる事務机の椅子がある奥の空間からカサッっと小さい音が聴こえた。


……なんだろ?


ナギはいつも重要な書類は自分しか扱わなくて、しかもあたしが手に届かない場所に保管したり破棄したりするから、いつもナギの机からは紙片ひとつ見つかった事はないんだけど。


気になったあたしは、床に這いつくばって左手で音の元を探した。


……あった。


それは、A4の大きさの書類。


少しだけ埃にまみれたけど、広げてみたらなんか延々と細かい字で色々と書いてあって、目が痛くなりそうだった。


あたしはひとまずポケットに入れて、その後直ぐに忘れちゃった。