あたしをソファーに下ろすと、赤石はテレビ台の下にあるガラス戸を開けて救急箱を取り出した。
「ちょっと手当てするから、ストッキングを脱いでもらっていいですか?」
……え゛!?
「い……いいです!救急箱を下されば自分でやりますから!」
あたしは自分が耳まで赤くなったとわかった。
だけど、赤石はあたしの言うことなんか聞き入れそうにない。
ナギといい、赤石といい、なんであたしの周りにはこんな男ばっかりなのよ!
「湿布を用意してますから、脱げたら声を掛けてください」
赤石は聞く耳持たない風で、そう言うと背を向けてテーブルに載せた救急箱を開いて中身を漁りだした。
一応、見ないようにしてはくれるんだ……。
息を着いたあたしは、観念してパンプスを脱いだ。
だけど、別に服を脱ぐ訳じゃないのに、心臓がドキドキして息が苦しくなる。
恥ずかしいし、出来たらこの場から逃げ出したい。
だけど、たぶんそれだと赤石は許してくれないから。
そう考えて、あたしはハッと気付いた。



