だけど……
赤石はなぜだかあたしの後に着いて歩く。
5分も歩いていると、足首の痛みがどんどん酷くなってきた。
心なしか熱もあって腫れてきた気がする。
だけど、赤石なんかには悟られたくない。
あたしがわざと早足で歩くと、赤石も同じスピードで歩く。
あたしはピタリと足を止めると、赤石を睨みつけながら苛立ちを隠さずに言葉をぶつけた。
「どうしてあたしの後に着いてくるんですか!?あたしはあなたに用なんかないんですが!」
あたしが苛立ちを露わにしても、赤石は微笑んだままで。
そして、予想外の行動を取った。
いきなりあたしの背中に腕を回し、抱き上げたから。
いわゆるお姫さま抱っこですよ。
何が起こったか判らないあたしも、赤石の端正な顔が間近に見えてハッと我に返れた。
「ちょっと……いきなり何するんですか!」
離れようと体全体でもがいたけど、やっぱり力ではかなわない。
けど、本当に意外なのは次の赤石の言葉だった。



